世紀を生きる鼓動が今なお力強い。

Heidelberg Windmill platen press

ハイデルプラテン平圧式印刷機

Heidelberger Druckmaschinenは、世界的に有名な印刷機メーカーで「ハイデルの歴史は印刷の歴史」とまでいわれ、現在もオフセット印刷機を主に製造販売するトップメーカーだが、活版印刷機は半世紀前に製造終了している。
現在、自社で稼働しているハイデル社製の活版機は平圧式のもので日本ではプラテンと呼称されている。
圧縮空気ポンプによって給排紙する自動機械だが、基板やコンプレッサーを持たず、モーターひとつで駆動する。スウェーデン鋼で成形されたパワーは最大40㌧の圧倒的な印圧を誇り、見るからに重厚な威容は今もって見る人を圧倒する。機械は合理的な設計がされているが、部品の細部には妥協がなく、これがドイツ人気質かと思うほど面倒くさい。しかし、それだから世紀を跨ぎ動かせる機械なのだろうと納得する。それがローテク機械の真髄なのだと、心から誇らしく思う。

  1. 仕様

試作:金沢情景ハガキ

印刷用紙は、テクスチャーのある水彩画用紙シリウス特厚口で、樹脂版(CTP)は、標準の0.95mm厚を使用した。

試作:メッセージカード

印刷用紙は、特Aクッション0.6mm厚。樹脂版は、ディープ樹脂版1.52mm厚を使用。
ベタ柄の場合、本来『金属版』を使うのが妥当かと思っている。しかし極小ロットの場合は、コストも重要な要件であることから、樹脂版でも可能ではないかと試し刷りしたものだ。


これのみパチカ1.0mm厚を使用した。

試作:歌麿

印刷用紙は、ウォーターフォード中目。8色刷り。樹脂版は、通常の樹脂版0.95mm厚を使用。
表現の仕方を確認するための試作。原図に忠実にトレースしたところ、線が極めて細く、整版で再現できない部分も出てきた。また、トンボがないので、濃い色から刷ったが、肌色が最後になり、繊細な髪の生際が表現できず失敗に終わった。版も残っているので、再チャレンジしたい気持ちもあるが、8色刷は大変なエネルギーがいる。

試作:まちづくりカード

印刷用紙は、特Aクッション0.6mm厚。2色刷り。樹脂版は、ディープ樹脂版1.52mm厚を使用。
いずれも2版刷りだが、1版の中でもムラ取りの要領で印圧の強弱をつけたもので、複雑な柄でなければ同様なやりくりは可能だ。

試作:パターン

印刷用紙は、特Aクッション0.6mm厚。2色刷り。樹脂版は、ディープ樹脂版1.52mm厚を使用。
デザイン的には柄が大き過ぎた。赤い丸だけの状態のほうが感じが良い。活版のデザインは難しい。

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